事例紹介

事業承継税制(特例措置)
による承継と争族対策

株式承継に伴う相続税や贈与税の負担を軽減したい
→事業承継税制を適用して負担をゼロに

お悩み

社長としての任期を終えた会社オーナーのA氏(仮名)は、社長を交代し、後継者への自社株式の承継を検討。業績好調の自社株式は価値が高く、相続税・贈与税の負担が大きくなるのを防ぐとともに、後継者以外の相続人への不満を避けたい意向があり当社に対策を依頼。

解決策

当社では次のような対策を提案・実行いたしました。

(経営権の交代)社長交代とともに役員退職金を支給
(財産の承継)株価が低いタイミングを見計らって贈与を実行
(税負担軽減)贈与税に関して「事業承継税制」を適用 → 負担額ゼロ(猶予)へ
(争族対策)退職金を原資として、後継者を受取人とする生命保険の加入により遺留分問題に対応

高額かつ第三者に譲渡できない株式を、後継者に承継させることで円滑な事業承継に成功しました。特に「事業承継税制」は税負担をほぼゼロにすることができる反面、税制の複雑化や適用後のモニタリングが必須であるため、専門に取り扱う税理士が多くありません。当社は、「事業承継税制」に関して、多くの取り扱い実績(通算20事案以上)を有しています。

古参役員からの議決権集約

古参役員が保有する株式を買い取りたいが金銭的余裕がない
→従業員持株会を組成して安定株主とする

お悩み

後継者として会社を相続したB氏は株式を50%超保有している。退任する古参役員(株式の30%を保有)の株式を買い取って経営の安定化を図りたいが、金銭的余裕がなく当社に相談。

解決策

従業員のモチベーション向上を図ることを目的とし、従業員持株会を結成させて古参役員が持っていた株を保有してもらうことを提案。その結果、従業員持株会が安定株主となり、経営の安定化に成功しました。

後継者に移譲する経営権の
ソフトランディング化

息子に会社を継がせたい。経験不足が心配だが、株式上昇による相続税の負担増は避けたい
→株式を無議決権株式化して段階的に経営権を移譲

お悩み

グループ企業のトップの会社オーナーを務めるC氏。自身の息子が会社を継ぐことになっており、株価の上昇による相続税の負担を減らすために現時点で株式を承継させたいが、経営経験が少ない息子に経営権を委譲することに不安がある。

解決策

種類株式導入による段階的な経営権の委譲をご提案し、相続税・経営面のお悩みにお応えしました。

  1. C氏の保有する株式の大半を無議決権株式化して息子に譲渡
    →株式上昇に関する利益は息子に移転するため相続税の将来負担を軽減
  2. 引き続きC氏が少数の普通株式を保有して経営面のイニシアティブを従来通り発揮
  3. 息子が後継者として育ったのちに普通株式を贈与し経営権を移譲
    →経営権の移譲はC氏のタイミングで行えるので経営面の心配も解消

株価上昇による相続税負担の悩みがなくなり、経営権に関しても自身の判断で後継者に移転することができました。

企業グループ化による資本の
効率化と事業承継対策

複数の会社を経営している。資本関係がバラバラになっている会社間の資金繰りを効率化させたい
→統括する資産管理会社(ホールディングス)を新設して資金管理を一元化する

お悩み

複数の会社のオーナーを務めるD氏。業績が良い1社の会社利益から、他の会社に資本供給(貸付)して新規事業を行っているが、より効率の良い会社経営を望み当社に対策を依頼。

解決策

それぞれの会社を統括する資産管理会社(ホールディングス)を新設し、事業会社の子会社化を提案しました。子会社の利益は、配当を通じてホールディングスへ集約し、資本供給が必要な子会社へ貸付・寄付・出資等を柔軟に実施。配当金収入は非課税なので、税負担を考慮せず機動的な資金手当てができるようになりました。

その結果、煩雑だった資金繰りが一元化され、効率化に成功。また、副次的効果としてD氏の相続財産をホールディングスが間接的に所有することになるため相続財産の上昇を抑制できたことになります。

大地主所有不動産の
一族による管理

年をとってこれまで通り土地の管理が続けられない。相続人への遺産分割に不安もある。
→相続人が役員を務める管理会社を設立して、土地の所有権を移転。

お悩み

先祖代々の土地を守り続け、賃貸事業を行う地主のE氏。高齢化に伴い、事業の管理運用が難しくなってきたし、不動産の割合が大きい相続税についても心配が尽きない。できれば妻や子どもたちに先祖の土地を守り続けてもらいたい。

解決策

不動産を管理するための会社を設立し、E氏の保有不動産を移転・相続人が役員として管理運営を行うことを提案しました。その結果次のような成果が得られました。

  • 不動産管理会社が土地の管理を実行するため、永続的な管理が可能になる
  • 不動産収益は会社を通じて相続人が収受するため所得分配ができる
  • E氏の財産は不動産から現金に変わるため、相続や遺産分割の心配が軽減される

永続的な事業の継続と、遺産分割の将来的な不安がなくなりました。

信託を活用した
公平な遺産分割

ビルを管理している。ビルの相続人は後妻と先妻の子。共有する以外に良い方法がわからない。
→家族信託を利用し、賃貸ビルの所有権を信託受益権化してスムーズに遺産分割

お悩み

都心の一等地にビルを所有するF氏、相続人は後妻と先妻の子。ビルの管理は先妻の子に任せたいが、ビルの所有権を子どもに持たせると、後妻が持つ遺留分の権利侵害になると言われて困っている。

解決策

家族信託の応用的な利用が、遺産分割問題の解決法のひとつになります。ビル管理の受託者(ビルの管理運営)を先妻の子とし、受益者(ビル家賃の貰い手)を後妻および先妻の子とすることで、不動産の共有リスクを抑えた遺留分対応が可能です。

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